基本の動作・使い方
自動時刻設定モジュール(以下、「本機」といいます)は、GPS の電波を受信し、本機内に時刻情報を保持して動作します。
時計との間は USB で通信します。以下の図のように、時計と電源の間に本機を接続することで、時計の時刻を自動的に合わせます。黒井電波から発売したすべての時計に対応しています。(ニキシー管時計NC1、およびニキシー管キッチンタイマー)
時刻合わせは約3時間ごとに行います。ただし、GPS の電波状況が悪くなった場合などは、それよりも長い間隔になることがあります。また、初回起動後数時間は、時刻情報が取得できず時刻合わせができなかったり、正確な時刻より数秒ズレた時刻で時刻合わせが行われる場合があります。
設置場所について
本機は GPS の電波を利用するので、設置場所によってはうまく時刻情報を取得できないことがあります。時刻情報の取得具合は状態表示 LED で確認できます。時刻情報がうまく取得できていないときは、窓際など、電波状況の良いところを探してみてください。
本機は USB ハブに対応しています。本機の設置場所が時計の設置場所から離れる場合は、セルフパワーハブを使用することで配線の延長ができます。たとえば本機を窓際に、時計を窓から遠い机に、それぞれ設置するような場合にご活用ください。
※バスパワーハブは電源が不安定になることがあるのでおすすめしません。
※リピーターケーブルへの対応は未検証ですが、ケーブル自体が電力を消費しますので、おすすめしません。
※ハブを介して複数台の時計を接続した場合の時刻合わせ動作は未検証です。
状態表示 LED の見かた
本機には4つの状態表示 LED があります。それぞれ、以下の状態を示します。総合的には、D5 が点滅していて、他の3つの LED が点灯していれば、問題のない状態で動作しています。
D5:電源と PPS
- 点灯:本機の電源が入っています。
- 点滅:GPS からの 1PPS 信号を受信しています。秒の開始タイミングを正確に合わせることができます。(時刻情報が正しいことを表すものではありません。)
D4:GPS 受信状態
- 消灯:GPS からの時刻情報を取得できていません。
- 短い点滅:GPS から時刻情報が取得できていますが、測位情報が不安定で、時刻情報も不安定な可能性があります。
- 長い点滅:2次元の測位情報が取得できています。
- 点灯:3次元の測位情報が取得できています。
一般的に、測位情報の次元が上がるほど補足している衛星数が多く、時刻情報が正確になります。ただし、3次元測位ができていても、時刻情報が数秒ズレていることがあります。
D3:時刻合わせ状態
- 点灯:時刻合わせを過去3時間以内に行いました。
- 点滅:あと数分で次回の時刻合わせを行います。
- 消灯:時刻合わせができていないか、時刻合わせの準備中です。
D2:時計との接続状態
- 点灯:時計と接続済みです。
- 速い点滅:時計と通信中、または、接続された時計の機種を確認しています。
- 遅い点滅:時計との通信エラー、または、接続された時計の機種を確認できませんでした。
- 消灯:USB ポートに時計が接続されていない状態です。ハブやマウス等の時計ではない機器が接続されてもこの状態になります。
設定スイッチについて
本機には8つの設定スイッチがあります。それぞれ、以下のリストの通りの動作設定を行います。小さなスイッチなので、爪楊枝の先などで丁寧に操作してください。
本機に電源を入れる前でも、電源が入った状態でも操作できます。ただし、設定により、電源が入っている状態でスイッチを操作すると、設定が即時に反映できないものがあります。
- スイッチ1:LED 消灯
- スイッチをオンにすると LED が4つとも消灯します。オフに戻せば点灯します。
- スイッチ2:タイムゾーン設定
- 実験中の機能のため使用しないでください。
- スイッチ3〜4:時刻合わせ制限
- GPS の受信状況が特定の状態に達している場合にのみ時刻合わせを行うようにできます。(どの設定にしても、時刻が正確であることを保証することはできません。)
- スイッチ3のみオン:PPS 信号を受信している場合にのみ時刻合わせを行います。
- スイッチ4のみオン:上記かつ2次元測位ができている場合にのみ時刻合わせを行います。
- スイッチ3と4両方がオン:上記かつ3次元測位ができている場合にのみ時刻合わせを行います。
- スイッチ5:時刻合わせの間隔短縮
- スイッチがオンの場合、時刻合わせの間隔を約20分に短縮します。
- スイッチ6〜8:将来的な拡張のために使用します。操作しないでください。
強制時刻合わせの方法
最初の項に記載した通り、本機は約3時間ごとに時刻合わせを行います。これ以外に、本機のボタンを押すことでも強制的に時刻合わせを行わせることができます。
強制時刻合わせを行うには、まず本機が GPS から時刻情報を取得できている必要があります。LED D4 が点灯または点滅していることを確認してください。
ボタンの位置は次の図の通りです。爪楊枝のおしりなどを使って丁寧に押してください。正しく押せたら、LED D3 が消灯し、本機は直ちに時刻合わせの準備を行い、次いで時刻合わせを行います。
強制時刻合わせは、設定スイッチ3〜4で設定した時刻合わせ制限を無視します。時刻情報を取得できていれば、GPS の測位情報がどのような状態であっても、時刻合わせを行います。
故障かな?と思ったら
うまく動作しない場合は、以下の手順に従って切り分けを行ってください。
- 最初に、設定スイッチを8つすべてオフにします。
- 電源を接続して、LED D5 が点灯することを確認します。
- 空の見える窓際に本機を設置し、晴れの日は3時間、天気の悪い日は6時間ほど放置して、LED D4 が点滅もしくは点灯することを確認します。
- 本機の USB-A ポートに時計を接続し、LED D2 が点滅することを確認します。
- 数秒後に、LED D2 が点灯に変わることを確認します。
- その後1分以内に、LED D3 が点灯することを確認します。
- 時計の時刻が合っていることを確認します。
上記の手順の記述通りに動作しない場合は、問題のあった手順の番号を添えて、黒井電波までご相談ください。
既知の不具合
今のところ、確実な不具合はありません。
起動直後に時刻データが数秒ズレる現象については、ファームウェアの改修で改善できる可能性があります。