TA1101B アンプ基板 詳細説明

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技術情報・データ

組み立て・接続方法

基本的には、上記の部品リストの部品を用意し、基板に実装します。ただし、フロントパネル基板は実験的要素が多く、実用上はできることが少ないので、メイン基板のみでシンプルに組み立てるのもおすすめです。

メイン基板のみでアンプを組み立てて、かつ、ミュート機能とスリープ機能をともに使わない場合は、以下のように接続してください。

※電源スイッチや音量ボリューム等、基板外に実装する部品はリストに入っていませんのでご注意ください。

メイン基板の回路について

メイン基板の回路は、TA1101B のリファレンス回路ほぼそのままです。R9、R13、R10、R14 で増幅ゲインの調整ができます。また、ここにコンデンサと抵抗器を追加実装することで、低音・高音のブーストが行えます。(基板パターンはありませんので、部品を2階建てにするなどして実装してください。)

H4 端子および H5 端子でそれぞれミュートとスリープ機能を制御できます。両者とも、デフォルト状態では機能が有効になっていますので、音を出すためには端子に外部から制御信号を与える必要があります。

  • ミュートを解除するには、H4 の1番ピンを GND に落とします。2番ピンが GND になっていますので、2つのピンをショートすればミュート解除になります。
  • スリープを解除するには、H5 の1番ピンから2番ピンに数 mA の電流を流してフォトカプラをオンにします。スリープ機能を使用しない場合は、フォトカプラを実装せず、C5 をショート(もしくは 0Ω 抵抗器を実装)してください。こうすると、TA1101B の 16 番ピンが GND に落ち、スリープが解除されます。
    • ちなみにこのフォトカプラは、「電源起動後、遅延してスリープを解除するとポップノイズが出ない」という情報をもとに、フロントパネル基板からスリープを制御するために実装したものです。しかしながら実際にそのように制御しても、ポップノイズは減りませんでした・・・。なので、特に理由がなければこの機能は使わなくて良いと思います。

300円スピーカー用音質調整

上記回路図に参考に載せている音質調整は、以下のような特性のブーストを行います。(クリックで拡大できます)

この特性は、この基板で組み立てたアンプに、300 円スピーカー(F02408H1)をフォステクスの P800-E に入れたものを接続し、黒井が主観的に良好だなと思った特性です。あくまで「好みの音質」ですので、コンデンサの値などは試行錯誤して決めてください。

フロントパネル基板の回路について

フロントパネル基板は、2つの部分に分かれています。左側は、電源スイッチにモーメンタリープッシュスイッチを使うためと、上記の遅延スリープ解除のためのマイコン制御部分です。右側は、前面入力端子と前面の音量つまみのためのジャックや可変抵抗器を実装する部分です。

左側のマイコン制御部分は、上記の通り遅延スリープが特に何の効果ももたないので、強い希望がなければ使用しなくて良いと思います。右側の可変抵抗器の部分も、絶対必須のものではありません。

それぞれ、使用する場合は、回路図を参照して実装・接続してください。

実装上の注意点

  • 実装はステンシルを使ってリフローするのがおすすめです。 手はんだでも実装は可能ですが、TA1101B の背面の銅板は、放熱のためメイン基板に接続しなければいけません。(裏面のベタパターンで放熱する設計になっています。)そのため、少なくともホットプレートやホットエアで TA1101B の裏側をあぶり、銅板が確実に接続されるようにしてください。
  • ケースに YM-115 を使用する場合は、高さ方向の制約が厳しいため、ケース底面から基板までの高さを低く抑える必要があります。黒井の実装では 2mm です。このために、RCA ピンジャックを含むスルーホール部品の足を短く切りました。
  • 秋月電子のアンプモジュール基板から TA1101B を剥がすのはけっこう大変です。モジュール基板は多層基板で内層に熱が逃げやすいため、ホットエアではチップが剥がれません。黒井は以下のような手段をとりました:
    • モジュール裏面の面実装部品をホットエアで剥がして平らにします。
    • 金鋸でモジュール基板を小さめに切ります。特に、スルーホール部品のある両端は邪魔になるので切り落とします。
    • モジュールをホットプレートに置いて、裏面から基板を熱します。
    • はんだが融けたところで TA1101B を外します。

その他

ご質問等は黒井までお願いします。

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