黒井電波のニキシー管時計は、「主役はニキシー管」「10年以上使える時計を目指して」の2つのコンセプトでデザインしています。このページでは、それぞれのコンセプトを詳しくご紹介します。
主役はニキシー管
黒井電波のニキシー管時計は「ミニマルデザイン」。
ニキシー管を主役に据え、それ以外の装飾を可能な限り省くことで、ニキシー管そのものが持つ美しさや独特の雰囲気を存分に楽しめるようにしています。
ニキシー管を最適な状態で光らせるため、昔のニキシー管点灯回路をそのまま使うのではなく、ニキシー管の原理から研究しなおし、ベストな点灯回路を探りました。
消灯時の電圧を上げることにより、昔の回路よりも数字以外の部分の発光を減らし、コントラストの高い、くっきりとした読みやすい発光を実現しました。
ニキシー管をホコリから保護するケースはアクリル製で、国内の専門業者に依頼して製造しています。
透明度の高い仕上がりで、ニキシー管を保護しながら、その姿と独特の発光を邪魔しません。
主役のニキシー管を邪魔しないため、時計本体とケースを留めるねじも、目立たないよう工夫しました。
なるべく正面から見えない位置に配置し、見える位置のねじも超低頭品を採用しています。
さらに、ニキシー管を制御するメイン基板は高さを6mmまで抑え、ニキシー管の下に完全に隠れるようにしました。
すっきりした外観を実現しただけでなく、ニキシー管を360度どの角度からでも楽しめるようになりました。
小型化のために使用した近代的な部品は、このあとご紹介する時計の長寿命化にも貢献しています。
10年以上使える時計を目指して
ニキシー管は本来、原理的にも製品仕様的にも、とても寿命の長い表示管です。
しかし、装置本体のほうが先に故障して動かなくなったり、ニキシー管に過電流が流れて寿命を縮めてしまったり、という状況も少なくありません。
すでに生産されていない貴重なニキシー管を大切に使うために、また、愛着をもって長くご愛用いただけるために、黒井電波のニキシー管時計は、ニキシー管のもつ10年以上の寿命を活かせるよう、各所に気を配って製造しています。(製品としての無償保証期間は当面1年間です。)
ニキシー管を駆動する制御基板は特に時計自体の寿命に直結するので、日本国内の電子基板工場で製造・実装しています。
基板に載せる部品は(ごく一部の汎用部品を除き)正規代理店から直接購入し、不正な部品が混ざらないように管理しています。
制御回路は電源も含めて独自に設計しました。ニキシー管に過剰なストレスがかからないよう、かつキレイに光るよう、詳細に解析しながら改良を重ねました。
最終的な回路は製品化前に1年間の点灯試験も行っています。
ニキシー管は長寿命のほかにも省電力という特長をもっています。ニキシー管の省電力性を損なわないよう、高電圧電源回路の変換効率も追求しました。
回路を構成する部品には(ニキシー管を除いて)すべて現在生産中、かつ汎用性の高い部品を採用しました。
入手が難しく代用の手間がかかるビンテージパーツは使用せず、万が一の故障の際に修理できる可能性を高めています。